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2024年7月10日(水) 市民タイムス -キラリこの人- に掲載されました!

2024年7月10日(水) 市民タイムス -キラリこの人- に掲載されました!

    子供向けワークショップ運営 小澤 和子さん

子供の心 創作で育む

 「すてきにできたね」。平和への願いを絵で表す工作の体験会で、小学生一人一人に優しく声を掛けた。ハトの形にかたどられた段ボール紙は、絵の具や色紙で彩られ、子供たちの思いを乗せて羽ばたく姿に仕上がっていった。

 元教員で、小中学生に図工を教えた経験を生かし、子供の心を育む創作などのワークショップを行っている。企画運営をする市民グループ「hontoのmanabi」の代表で、活動4年目になる。

 津市出身。美術大学を卒業後、神奈川県にある聖ステパノ学園に赴任した。小中学校で30年ほど教え、教頭も務めた。学園は第2次世界大戦後、日本人女性と外国人兵士の間に生まれた孤児を養護するため、安心して通える場として開校された歴史があるという。

 クラスは少人数制で、発達障害や不登校だったり、親から虐待を受けたり、あるいは親がいなかったりした子供がいた。一般入学の子供もいた。「子供はみんな良いものを持っている。それを磨くのが教師の仕事」。境遇に関係なく、個性や特性を大切にし、型にはめない関わり方を心掛け、一緒に学んだ。子供は苦手なことがあっても「ちょっと頑張って達成感を得られると表情も変わる」と実感した。成功体験を重ね、褒められる経験をした子供が自信をつけて「復活する姿」も見てきた。

 定年退職後、子供が暮らす松本市に移住した。市内の才教学園小中学校で図工を教え、子供の発想の豊かさに感激した。子供の育ちを支えたいとの思いが募り、元教員らと力を合わせて市民グループを発足させた。

 夢は、学校をつくることだ。子供たちが、足を運びたくなる、多様な学びができる場所にしたい。子供向けや教員向けの講座を開いて実績を重ね、一歩ずつ前進している。「子供たちの育ちを長く見守ることができる学校にしたい」と希望を抱く。(石川鮎美)

(「子供の心 創作で育む」 市民タイムス、2024年7月10日)

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